僕はファンを起点としたマーケティングの考え方が大好きで、もうそれは圧倒的にステキな世界だからでして。
ファンはその企業やブランドを心から応援していて、その企業やブランドの社員はファンに喜んでもらいたくて一生懸命考えて仕事をする。
世界平和さえ生まれるんじゃないかと思うんですよね。
※そのことについては下記に書きました。
僕自身はよなよなエールのヤッホーブルーイングのファンでして、ファン主催でイベントを企画してみたり。
それきっかけでヤッホーファンの方々やヤッホーブルーイングの社員さんたちと深く関わらせてもらい、ファンの素晴らしさを目の当たりにしました。
「ああ、こういう企業やブランドをもっと増やしたいなあ」と思って現在はアライドアーキテクツという会社で日々企業やブランドにおけるファンを起点としたマーケティングのプランニングをしています。
ファン起点のマーケティングのポイントは愛と売上の両方に作用するということ。
この移り変わった時代だからこそ求められる考え方だと考えます。
今回は散り散りに書いてきたファン起点マーケティング記事のつながりを考察し、僕が思う全体像をまとめていきたいと思います。
こんな方に少しは役に立てるのではと考えております。
- ファンマーケティングに興味があるけど、いまいちよく分からない
- なぜ今、ファンを起点としたマーケティングが重要なのか分からない
- ファンという少人数にはたらきかけて売上に効果があるとは思えない
- マスマーケティングに限界を感じている
- ファンを起点としたマーケティングをやりたいが、何から手をつければいいか知りたい
マスマーケティングのみで売れていた時代は終わり、ファン起点マーケティングもマスマーケティングと併せて行なっていくことがこれからの企業やブランドには求められると日々感じております。
そこらへんも含め、何か少しでも得られるものがあれば幸いです。
目次
なぜ今、ファン起点のマーケティングが求められているか
なぜ今、ファン起点のマーケティングが注目されているのでしょうか。
まずは時代的な背景を解説します。
「心の幸せ」を作れる企業やブランドが求められる価値主義な時代
今は資本主義から価値主義への変遷期と言われています。
今までの「資本主義」では「お金」を持っておくことが幸せでしたが、人は「お金」を持つことだけが幸せではないと気づき始めました。
「お金」で満たされる欲求がオーバーシュートし「心の幸せ」(特に「自己超越」した他者への幸せ)を誰もが求めています。
なので、時代的にもそういった「心の幸せ」を作れる企業やブランドに注目が集まっていきます。
より企業やブランドの価値観や考え方が大事になっていきます。
つまりは企業やブランドへの共感や愛、感情ロイヤリティです。
詳しくは下記に記しています。
企業やブランドの考え方や価値観で買われる『宗教の時代』
別の考え方で、日産自動車の高橋直樹さんいわく、今は、その企業やブランドの価値観や考え方でモノやサービスが買われる『宗教の時代』であるとのこと。
なので、河野武さんが提唱しているような、顧客から愛される『最愛戦略』をとりファンを増やしたり育成することが重要です。
これらに共通しているのはどちらも「企業やブランドの価値観や考え方が重要」ということ。
Why(企業やブランドの価値観や考え方)に共感してくれるようなファンがキーというわけです。
新規顧客獲得が難しい時代
ちょっと今までとは違う文脈ですが、佐藤尚之さんがおっしゃっているような、新規顧客を獲得するのが難しい時代というのもあります。
人口減少や超高齢化、超情報過多社会などがあるからファンを大事にするのが良いよということです。
詳しくは下記でも書いています。
企業やブランドの考え方や価値観に共感してもらう深さや量の最大化を目指す
ファンに企業やブランドの持つ価値観や考え方に共感してもらうことが大事な時代に、自分の頭の中を整理した考え方が「シンパシードミナントロジック」です。
これは、企業やブランドの持つ価値観や考え方に共感してもらう深さや量の最大化を目指す考え方。
もっと深くファンになってもらったり、もっとたくさんファンになってもらったりすることが大事なのではという考え方です。
よくモノからコトへ、と言われますが、今はその先と考えています。
コト(体験)のその先にある企業やブランドの価値観や考え方への共感が大事な時代です。
「グッズドミナントロジック」⇒「サービスドミナントロジック」⇒「シンパシードミナントロジック」への変遷を理解し、「シンパシードミナントロジック」を意識してマーケティングに取り組むことが時代にフィットするのではないかと考えます。
どうやって企業やブランドの価値観や考え方に共感してもらうか
それでは、実際にどうやってその企業やブランドの価値観や考え方に共感してもらえばいいでしょうか。
そのためには「共感プログラム」をオフラインイベントとオンラインコミュニティで実践し、共感度を上げることが必要と考えます。
ファン起点のマーケティングを推進していく中で、僕は下記4つの言葉をよく使います。
- 共感プログラム
- 文脈
- ファン化のツボ
- ファンのツボ
この4つの意味の違いを把握して取り組むと、やるべきことが明確になってくるのでおすすめです。
ちなみに「ファン化のツボ」「ファンのツボ」はファンミーティングを行ない把握することが多いです。
では、共感プログラムでブランドの持つ価値観や考え方への共感度を上げ、ファンになって愛してもらえた先に何があるのでしょうか。
ファンになって愛された先にある共鳴効果(レゾナンス)
共感(シンパシー)してもらい、ファンになって愛された先には4つの共鳴効果(レゾナンス)があります。
- ファンの売上アップ
- ファンのツボ・ファン化のツボの4P活用
- ファンと接することで社員モチベーションアップ
- ファンからの推奨
図にするとこのような形です。
4つの共鳴効果(レゾナンス)について詳しくは下記でまとめています。
売上に最も効果がある「④ファンからの推奨」
4つの共鳴効果(レゾナンス)の中で最も売上に効果があるのが「④ファンからの推奨」です。
これこそがファン起点のマーケティングで一番重要な効果だと考えています。
ファンからの推奨があり、ファンが新規顧客を連れてきてくれるから売上効果があるのですが、直接人に推奨する効果とともに重要視すべき推奨行為がSNSでの投稿です。
なぜSNSでの投稿を重視すべきは「SNSでの投稿数は売上に相関するから」です。詳しくは下記でまとめています。
このファンのSNSでの投稿を促し、更にはそれを起点に全体のSNS投稿の数量を増やしていく最適解がSNSでのハッシュタグコミュニティだと僕は考えています。
ハッシュタグコミュニティを作る具体的手順
ハッシュタグコミュニティを作る具体的手順は
- コアファンに仲間になってもらう
- 公式アカウントとコアファンでハッシュタグ投稿する
- コアファンを含むユーザーの投稿を使って公式アカウントがハッシュタグ投稿する
- コアファンを含むユーザーのハッシュタグ投稿に公式アカウントがいいねなどリアクションしていく
です。下記で詳しくまとめています。
ハッシュタグを作る時の3つのコツ
ファンのSNS投稿を起点にブランドに関連する投稿を促すには、「SNS上でハッシュタグ投稿を公式アカウントとコアファンで盛り上げていくということ」が必要です。そのハッシュタグを作る時の3つのコツは
- すでにある文脈に乗る
- 共感できる価値観を絡ませる
- 企業やブランドを想起させる言葉を入れる
です。下記で詳しくまとめています。
ハッシュタグコミュニティがなぜ最適解か
ハッシュタグコミュニティがなぜファンを起点とするマーケティングの(いちばん重要な効果である「④ファンからの推奨」の)最適解と考えるか。
それは「測れるから」です。
Instgramであれば検索でハッシュタグ数を測ることができ、Twitterであればソーシャルリスニングツールを導入することでハッシュタグ数を測ることができます。
日々追える数値、すなわちKPIを何にすれば良いかよく議論されるファン起点マーケティングですが、ハッシュタグコミュニティを具体施策に持ってくることで「ハッシュタグ数」という分かりやすいKPIを設定することができます。
YouTubeでも「ファン起点マーケティングの概要」についてまとめました
YouTubeでも動画にて愛と売上を作るファン起点マーケティングについて、その魅力や考え方、それを実践する上で知っておくべきことをまとめました。
下記の動画でも「ファン起点マーケティングの概要」について話しました。
文章とはまた違った見え方があるかと思いますので良かったら見てみてください。
さいごに
これが僕の考えるファン起点マーケティングの全体像です。
ファンのツボ・ファン化のツボをファンミーティング等で傾聴し、4Pに活かしてそのエッセンスをマスに広げる。
その際、共感プログラムを意識しファンの共感度を上げ、ファンを起点に推奨を促していく(特にSNSでの関連投稿を増やす)というのが大まかな流れです。
みなさんのマーケティング活動にステキなアシストをできていたら幸いです。
おすすめ文献
次の記事は『これを見たら全てが分かる!ヤッホーブルーイングファン主催『ファン宴』の記事まとめ』
冒頭に記載したヤッホーブルーイングのファン主催で開催したイベント『ファン宴』については下記に全体像をまとめています。
「ファンが自らイベントを開きファンを創出する」ような企業やブランドを、ヤッホーブルーイングだけでなくもっと世の中に作っていけたら平和になるなあなんて思っています。
これを見たら全てが分かる!ヤッホーブルーイングファン主催『ファン宴』の記事まとめ