ブランドの共感度を上げる共感プログラムとは

MARKETING

この現代は、そのブランドの持つ考え方や価値観でモノやサービスが買われる『宗教の時代』であり、顧客から愛される『最愛戦略』をとり「良い売上」を獲得していくことが他社との差別化となる、と以前のブログでまとめました。

そして、企業やブランドの持つ「価値観や考え方に共感」してもらう深さや量の最大化を目指すという概念が「シンパシードミナントロジック」であり、これからブランドが意識していくべきであることも以前のブログでまとめました。

では、その企業やブランドの持つ「価値観や考え方に共感」してもらうにはどうしたら良いでしょうか顧客から愛されるためにはどうしたら良いでしょうか

この「共感プログラム」を企画に織り込めば、顧客から愛されるプランニングが可能になると考えています。

 

目次

ブランドの共感度を上げる「共感プログラム」

「ブランドの持つ考え方や価値観」に共感してもらうためにはどうしたら良いでしょうか。
顧客から愛されるためにはどうしたら良いでしょうか。

僕が考える最適解が「共感プログラム」です。

ブランドの共感度を高めるために、まずは「信用」がベースにあるべきだと考えます。
「信用」があるからこそ、軸として発信していく企業やブランドの持つ「価値観や考え方に共感」してもらいやすくなるからです。

「信用」がベースにあり、「価値観や考え方に共感」してもらうことで、「共感度」は上がります

「信用」を築くつ7の方法と「価値観や考え方に共感」してもらうことについて解説します。




 

信用を築く

①ファンであり身内と自覚してもらう

さとなおさんもファンベースという本でおっしゃっていましたが、ファンは自分がそのブランドのファンだと自覚していないことがあります。
なので、ブランド側が「あなたは立派なファンです!」と気づかしてあげることが大事です。

また、ブランド側が身内のようにファンたちと接すると、よりファンはブランドに貢献したいという気持ちになってくれることが多いです。

ブランドは使っていただく方やブランドの価値観・考え方に賛同してくださるファンあってのもの。
一緒にブランドを作ってくれる身内と思って接することがよりファンの気持ちを上げます。

 

②ファンに心が動く体験を提供する

以前の記事でも記載しましたが、忘れられないような心が動く体験は「ファンの創出」につながります。

「予想外価値」が「優れた顧客体験」(CX)を生み、深く心に残り、信用の獲得につながるのです。

そして、この忘れられない体験や感動は「ファンを優遇」して行なうことが良いでしょう。
新規開拓ばかりに注力しているブランドより、ファンと向き合ってくれるブランドのほうが信用できますよね。

そのブランドに関わる全ての顧客に「予想外価値」を提供することももちろん目指したいですが、より濃く心が動く体験を提供するためにはある程度人数が少ない方が実現しやすいということもあります。

さらには「ファンを優遇」しヒエラルキーを可視化することで、まだファンではない人の興味喚起をすることにもつながります。

 

③ファンに交流してもらい、時には使命を提示する

ファン同士で交流してもらったり、ファンと社員で交流してもらうことで、よりブランドの理解が高まったり、仲間意識が芽生えることでブランドの信用が高まります

さとなおさんも「ファンベース」でおっしゃっていましたが、ファンはまだ自分がファンであることに自信がないことが多いです。
なので、他のファンの言葉に触れやすいようにし、自分が支持している「ブランドの持つ考え方や価値観」に自信を持ってもらうことが大事です。

そして、時には使命を提示することでより自分ごと化されます。
ファンというよりもはやそのブランド側の人間となり、自発的に動いてもらうことでどんどんブランドの持つ「価値観や考え方」が自分に馴染んでいきます。

 

④ファンの言葉を4Pに活かす

4PとはProduct(商品やサービス)、Promotion(プロモーション)、Price(販売価格)、Place(流通)のことです。

自分の言葉が商品開発や改善、販促活動やSNSに活かされていると、嬉しいですよね。
真摯に向き合ってくれている印象を受け、信用できます

ファンと商品やコンテンツを一緒に共創してしまうことなどが効果的です。
もちろん、その活動を全体に報告するレポートも忘れずに。




 

⑤ファンに企業やブランドの背景や物語を伝える

一番基本となり、実践しやすいものがこちらです。
とにかくバックストーリーが大事です。
やはり企業やブランド、商品の裏に潜む背景や物語にこそ愛着が湧きます

細部まで細かく伝えてみましょう。
ポイントはこの後にも説明する「人気(ひとけ)」を出し、社員の顔を出して伝えていくことです。

 

⑥社員をファンにし、前に出てもらう

全てそうですが、熱い想いこそ人に伝わります。
そんな熱い想いを伝えてくれた人とブランドに愛着が湧き、信用が生まれます。

「伝えること」も大事ですが、「伝え手」も大事です。

なので、信用を築くためにはそのブランドや企業の「人」自体に共感してもらうことが非常に重要になってきます。
この「共感プログラム」はブランドや企業の社員にこそ実践すべきだと考えます。

そして、その社員を前面に出して行きましょう。
例えば、ホームページやイベントで積極的に社員を前に立たせていくなどです。
人は人にこそ愛着がわき、信用が生まれます。
その社員へのファンの信用がブランドや企業の信用に繋がります

企業が生み出すあらゆる差別化要因の中で最後に残るものは「WHO」

クラシコムの青木耕平さんがおっしゃっていた言葉です。
最終的には自社の価値観に基づき熱く自分の言葉で語れる社員こそが競合との差別化となるのです。

 

⑦誠実なやり方をする

誠実でないやり方はすぐに見抜かれます。
「信用」は一気に崩壊します。

逆に、誠実なやり方をしていれば「信用」は保たれるどころか高まっていきます。
不祥事が起こった時でさえも、誠実に対応を行なえば「信用」は高まることもあるでしょう。

みなさんのブランドや企業に、嘘、偽りはないでしょうか。

 

「価値観や考え方に共感」してもらう

⑧価値観や考え方を積極的に発信する

①~⑦を実践し「信用」を築くと企業やブランドの持つ「価値観や考え方に共感」してもらいやすくなります。

その価値観や考え方を積極的に発信することを意識しましょう。
企業やブランドのWEBサイトや商品、イベントや社員にいたるまで、そのブランドが一番大切にしていることを積極的に発信していくのです。

その価値観や考え方、ビジョンなどに共感し、賛同してくれるファンが出てくるはずです。
その「価値観や考え方」を積極的に発信することがまた「信用」につながり、その「信用」がまた価値観への「共感」を生む、という好循環が生まれます。




 

共感プログラムをオンラインとオフラインで実践していく

これはトライバルメディアハウスさんが提唱する気持ちをつくるためにはオフラインとオンラインでコミュニケーションすべし!という資料に共感プログラムを加筆したものなのですが、まさにこれだと思っていて。

オフラインとオンラインで「共感プログラム」を実践していくことで共感度が上がると考えています

ブランドとファンで会話ができるようなコンテンツが理想的で、オフラインでは「イベント」、オンラインでは「コミュニティ」がよく企業がとっている手法です。

特にオフラインイベントでの共感プログラム実施は共感度が一気に上がりやすいです。

僕もヤッホーブルーイングの『超ファン宴』というファンによるファンのためのイベントで、先に参加者のオンラインコミュニティを作ったのですが、中々盛り上がりに欠けました。
しかし、イベント実施後はイベントで共感度が高まったことでオンラインコミュニティでも反応が返ってくるようになりました。

オンラインコミュニティもオフラインイベントを行なうことでより盛り上がることが多いので、このオフラインとオンラインをうまく実施していくことが肝となります。

 

ヤッホーブルーイングで考える「共感プログラム」実施例

僕がいつも参考にしているクラフトビールの会社ヤッホーブルーイングの活動では、図らずとも「共感プログラム」の実施が見受けられます。

ヤッホーブルーイング内では「人気(ひとけ)を出す」「顧客は友人として接する」「学び・交流・共創を通じてクラフトビールの醍醐味を楽しく伝える」と表現されており、どれも「共感プログラム」に当てはめることができます。

 

人気(ひとけ)を出す

HPやECサイト、会報誌などには社員の顔を掲載しています。
リアルイベントでも社員自らが顔を出すことで、顧客側が社員に愛着を持つようになります

⇒「⑥社員ファンにし、前に出てもらう」「⑦誠実なやり方をする」の例

 

顧客は友人として接する

通販受注部署に顧客満足度アップチームを設け、気になる問い合わせや誕生日、お祝いの際にはサプライズの手書きの手紙やプレゼントを贈り、大切な友達のように関係性を深めています

⇒「①ファンであり身内と自覚してもらう」「②ファンに心が動く体験を提供する」「⑦誠実なやり方をする」の例

 

学び・交流・共創を通じてクラフトビールの醍醐味を楽しく伝える

具体的には…

学び:会報誌、醸造所見学ツアー、メルマガ等
交流:超宴、宴、醸造所見学ツアー等
共創:新製品共同開発等

などを通し、クラフトビールの醍醐味を楽しく伝えています。

⇒「②ファンに心が動く体験を提供する」「③ファンで交流してもらい、時には使命を提示する」「④ファンの言葉を4Pに活かす」「⑤ファンに企業やブランドの背景や物語を伝える」「⑥社員をファンにし、前に出てもらう」「⑦誠実なやり方をする」の例

 

もうちょっと細かく「人気(ひとけ)を出す」「顧客は友人として接する」「学び・交流・共創を通じてクラフトビールの醍醐味を楽しく伝える」について下記でも記載しております。

 

そして全てのコミュニケーションは「価値観や考え方」に基づいている

全てのコミュニケーションは「ビールに味を。人生に幸せを。」という理念のもと、実施されており、それはファンにも浸透しています。

例えば、ヤッホーブルーイングはメルマガを配信していますが、(そこでも担当がその日に合ったことなどを文章に入れたりひとけを出している)文末にはこの言葉が必ず入っています。

画一的な味しかなかった日本のビール市場にバラエティを提供し、新たなビール文化を創出する、そして、ビールファンにささやかな幸せをお届けする

ファンや社員はこの「共感できる価値観」にカミナリ打たれているわけですね。
僕もその一人です。




 

まとめ

共感プログラムをオンラインとオフラインで実践していくことで共感度は上がる

 

さいごに

「コミュニティマーケティング」や「ファンベース」、「熱狂顧客戦略」で同じように語られていることもあれば、こちらでは語られているけどあちらでは語られていないことがあったり、自分が思うところとリンクしていたりいなかったりしていました。

まるっと自分が納得行くカタチで最大公約をまとめたのがこの「共感プログラム」の内容です。

みなさんのマーケティングを少しでもステキにアシストできていたら幸いです。

 

参考文献

 

次の記事は『製品を飛び越えて企業のファンへ。ヤッホーブルーイングの”熱狂”の具体的な作り方とは』

そのヤッホーブルーイングの秘密はここに。

製品を飛び越えて企業のファンへ。ヤッホーブルーイングの”熱狂”の具体的な作り方とは

 

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