前回、ファン起点のマーケティングを広めていきたい理由は
- 圧倒的にステキな世界だから
- 実際売上にも効果があるから(ファン自体の売上、新規顧客獲得)
- 時代にもあっているから(新規顧客獲得が難しい時代、価値主義の時代)
とまとめました。
その中の理由②のひとつ、「ファンが新規顧客を連れてきてくれる」から売上効果があるという話で、「直接人に推奨する効果とともに重要視すべき推奨行為がSNSでの投稿」であるが、「ファンの投稿には限界があるので、ファンのSNS投稿を起点にブランドに関連する投稿をいかに増やしていけるかという視点が今後重要」と考える話をしました。
それこそがファン起点のマーケティングであり、一番重要な効果だと考えています。
では、ファンのSNS投稿を起点にブランドに関連する投稿を促すとはどうすればいいか。
その答えは「SNS上でハッシュタグ投稿を公式アカウントとコアファンで盛り上げていくということ」だと考えるのですが、今回はその中でも重要な「ハッシュタグを作る時の3つのコツ」についてまとめていきたいと思います。
これは、企業やブランドのSNS運用において推していきたいハッシュタグを決める時にも活かせる内容なので、参考にしていただければ幸いです。
目次
ハッシュタグ投稿を公式アカウントとコアファンで盛り上げる
前述の通り、ファンのSNS投稿を起点にブランドに関連する投稿を促すには、「SNS上でハッシュタグ投稿を公式アカウントとコアファンで盛り上げていくということ」が必要だと考えています。
公式アカウントのみで地道にハッシュタグ投稿を盛り上げていくのもアリなんですが、それをコアファンも仲間になってもらい一緒に投稿してもらうことでコアファン以外も投稿する流れをより創っていくイメージです。
SNS上での公式アカウントの基本的な動き
具体的な公式アカウントの基本的な動きをInstagramを想定してお話しすると、
- 公式アカウントとコアファンでハッシュタグ投稿する
- コアファンを含むユーザーの投稿を公式アカウントがリポストやリツイート
- コアファンを含むユーザーのハッシュタグ投稿に公式アカウントがいいねなどリアクションしていく
となります。(Twitterの場合、リポストはリツイート)
投稿してほしい内容のハッシュタグ投稿を公式アカウントとコアファンでお手本を見せ、他の方にもその流れに乗ってもらうイメージです。
ハッシュタグ投稿の前に重要なこと
SNS上での公式アカウントの基本的な動きは上記ですが、その前に重要なことは下記です。
- ハッシュタグを作る
- コアファンに仲間となってもらう
今回は1のハッシュタグを作る時の3つのコツをまとめます。
ハッシュタグを作る時の3つのコツ
ハッシュタグコミュニティを盛り上げていくにあたり非常に重要なのが、当たり前なのですがハッシュタグの内容です。
最終的にはコアファン以外の人にもそのハッシュタグをつけて投稿してもらいたいので、その企業やブランドに関心がある人が思わずつけたくなるハッシュタグである必要があります。
そして、そのハッシュタグがちゃんとその企業やブランドの投稿につながる必要もあります。
そのようなハッシュタグにするためにはどうしたらいいか。そのコツは3つであると考えます。
- すでにある文脈に乗る
- 共感できる価値観を絡ませる
- 企業やブランドを想起させる言葉を入れる
すでにある文脈に乗る
0からつけてもらえそうなハッシュタグを考えるのはギャンブルのようなものです。
なので、もうすでにユーザーの中で投稿されている文脈に乗ったハッシュタグにするのがベストです。
そのために有効なのがソーシャルリスニングです。
SNSで自分たちのブランド名や写真と一緒によく投稿されていることは何なのか。これをまずは知ることです。
一番分かりやすいのはInstagramで一緒につけられている他のハッシュタグです。
例えば、サンリオのキャラクター「すみっコぐらし」を検索すると「#ぬい撮り」というタグとともに自分の持っているすみっコぐらしのぬいぐるみ写真を投稿する流れがInstagramでできています。
ここから生まれたハッシュタグが「#すみっコ写真部」です。
文脈は必ずしもそのように言葉になって表れてこないこともあります。
この「文脈を読む」ことは「空気を読む」ことと近いです。
その企業やブランドのユーザーの中でどのような空気が流れているかをSNSの場から感じ取りましょう。
共感できる価値観を絡ませる
そのハッシュタグに企業やブランドの共感できる価値観を絡ませられたらベストです。
それがあるから共感を呼び、つけてファンであることを表したくなるようなそんなハッシュタグです。
例えば、ユニクロの「#ユニジョ」に表れる共感できる価値観は「ユニクロを着こなす女子っていいよね」ということです。
「#ユニジョ」を通して「ユニクロを着こなす女子」ということを表せるからつけたくなるんですよね。
もうひとつ秀逸なハッシュタグを紹介するとすればファッションセンターしまむらの「#しまパト」。
こちらは「しまむらパトロール」の略で「しまむらをパトロールしてたらこんな良いの見つけちゃった!」ということなのですが、これこそしまむらの「しまむらで掘り出し物を見つける楽しさっていいよね」という共感できる価値観を表しています。
ちなみに、この「共感できる価値観」は企業やブランド、ないしはファンも言語化できていないことがあります。
なので、ファンミーティングでファン同士に偏愛を語ってもらったり、先述のソーシャルリスニングで文脈を読むことが「共感できる価値観」把握の近道だったりもします。
企業やブランドを想起させる言葉を入れる
前述で出てきた「#すみっコ写真部」「#ユニジョ」「#しまパト」はどれも企業やブランドが想起されますよね。
これがあるからその企業やブランドにつながる訳で。
それがなくても一緒に投稿される写真で企業やブランドを必ず表せられれば良いのですが、このご時世でそれは難しいような気がします。
あるとすればシェア1位のブランド。シェア1位であればそのカテゴリーを盛り上げることで自分たちにつながることが多くなるからです。
そういった意味でHISの「#タビジョ」は「女子旅に行って写真を投稿する文脈」や「女子旅っていいよねという共感できる価値観」はあるのですが、企業やブランドを想起させる言葉が入っていないため、HISという企業やブランドにはつながりにくい印象です。(企業色やブランド色をあえていれないことで拡がりを狙うというのはある)
ただ、「#タビジョ」は「コアファンに仲間となってもらう」のがめちゃくちゃ参考になるので、そちらは次回紹介します。
まとめ
ファンのSNS投稿を起点にブランドに関連する投稿を促すには、「SNS上でハッシュタグ投稿を公式アカウントとコアファンで盛り上げていくということ」が必要であり、そのハッシュタグを作る時の3つのコツは
- すでにある文脈に乗る
- 共感できる価値観を絡ませる
- 企業やブランドを想起させる言葉を入れる
さいごに
なぜ「ファンのSNS投稿を起点にブランドに関連する投稿を促す」のが良いかって数字を追いやすいからというのが大きいです。
ハッシュタグ投稿がどれだけ増えたか=取組の成果 として分かりやすい。
ハッシュタグを増やすことでどれくらい売上に効くと想定できるかまで方程式を作れたらなお◎。
企業やブランドのSNS運用においても、関連投稿に着眼することでSNS運用をファン起点のマーケティングに昇華させることができると思うので、おすすめです。
ちなみにサムネイルのヤッホーブルーイングの「僕ビール。君ビール。」はローソン限定で売っているビールなのですが、発売の時はファンのSNS投稿を起点にブランドに関連する投稿を促していた好事例です。(ハッシュタグは#かえるビール)
今でもその名残でファンたちは毎年新シリーズが出るたびに「カエル捕獲に成功!」とSNSに投稿しています。
投稿したくなっちゃうんですよね〜。
次の記事は『共感の先に共鳴がある。ファンになって愛された先の効果とレゾナンスマーケティング』
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共感の先に共鳴がある。ファンになって愛された先の効果とレゾナンスマーケティング